どうも自身が40代に入ってくると、やはり親が云々かんぬんが増えるようで。
職場に回って来る訃報でも、同世代の知り合いの親とかが多いし、その親自身も同じ年頃には経験しているワケで。
友人の親もやはりガンだったりするし。
人として多分円熟期になるこの頃に親を看取ったりするのは、例外もあるにせよ、上手く出来すぎている気がする――と、ふと思った。
たまたま人類は今の寿命くらいになったのか、それとも人類社会を上手く回して行く為に、その時期に合わせて寿命が見えない力で調節されたのか。
本来は何人もの女性に種を植え付けられる人類の雄が、人類社会の形成過程において性病などを蔓延させないために、一夫一妻制(または決められた数までの一夫多妻)の社会を受け入れたように。
今までの経過から、感じている事は1つ。
自分が家族の中で一番しっかり事に構えている状態であると言う事。
当の本人である父親はなんとか気張っているが、どうにも言葉が足りないし、虚栄心や逃避願望が先んじるような言動をしていて、担当医からも困ったような連絡があった。
母の方は、悲壮的な状況に酔う事で、ストレスを逃がそうとしているが、物事の事実に対して悲壮的な思い込みを勝手に上乗せして、こちらに伝えてくる。
子供のこちらには良い迷惑になっている。嫁に行った妹にまで迷惑をかけている。
十年くらい前に、親夫婦は『子供に迷惑掛けないように、出来ればポックリ逝きたいね』と、言っていたのを自分は良く覚えている。
大迷惑である。
そりゃ面倒は見る。
だけど、何かをして貰いたくてこちらに伝えるべき事を、素直に伝えようとしない。
現在の父は、色々抗がん剤等の薬品の投与があって、免疫力が低下しているかもしれない。そして面会は15時からなのだが……前々から、銀行に行きたいというのは知ってた。
そんな状態で先日の事。
『銀行で振り込みとか色々したくて、外出許可貰ったから、誰か付き添いに来てくれ。あと通帳と印鑑持ってきて』
これだけの事が、子供を心配させたくない思いと虚栄心から、
『銀行行きたいから、家に帰るから、○時に来て』に、なる(´Д`;)
これを聞いた母が、『家に帰ってくるって、○時に来てって』と、私に伝える。
私は『(゚Д゚)ハァ?』となる。
良くわからんので父に問い質すと、『外出許可が出たから一旦病院でて家に行くから明日家で待ってて』と。『1人で帰るから』って。
平気なのかと訊くと怒鳴るように『大丈夫だから』。
はい、で、翌日に担当医から電話『付き添いに誰か来て下さい』。
結局は、最初の「帰るから」と伝えた翌々日に、母と帰ってきていた妹が通帳と印鑑持参で病院に行き、外出許可を貰って病院近くの銀行で色々やってきたそうな。
ボケてると言うよりは、人に物事をちゃんと伝えられない両親に、子供と病院スタッフが振り回された。
だから父に言いました。
自分の勝手な解釈で物事を言うな。
患者を預かる病院の責任において許されない事をしようとしているのは迷惑な我が侭だし、もしもそうしたいならこっちも面倒見切れない。
医者からこちらに連絡するのを止めるような事(までしていた)をするな。
したら直ぐ勝手な持論を持ち出してきたけど、そのせいで振り回されてるんだから、そんなん知るか。
母にも言いました。
人の話を良く聞く事。それを伝える時にあなたの勝手な憶測を混ぜるな。
2人に共通して、言いました。
周りに良かれと思ってやってる事が、全部迷惑になっている。
最近頭痛が止まらないのは、2人のせいですからね(仕事中は痛く無いんだもの……)。
かなり強く言ったつもりなんですが、次の夜――病院に父の通帳を持っていく前夜、その通帳を見ていた母がいきなり言いました。
「年金の振り込み無いけれど、どうなってるの?!」
傍にいた妹も感化されて、
「これ一大事じゃ無いの?!」
という感じで自分に言ってきた。
( ゚д゚)ポカーン
「お前は、またか~!ヽ(`Д´)ノ」
マジで親をお前呼ばわりなんて始めてしましたよ(´・ω・`)
(゚Д゚;)? となってる母に怒鳴っちゃいましたよ。
「そんな貯蓄用の通帳に年金振り込ませるような事しないだろうが! 昨夜も事実に勝手な憶測を付け加えて、こっちにまで心配増やすような事を言うなと言っただろうが! 結局人の話聞いてないじゃんかよ! 子供に有りもしない心配増やさせて嬉しいのか!! もうその早とちり、迷惑だからいい加減にしろ!!!」
「……うう、そうでした、ごめんなさい」
自分で勝手に騒いで周りにまで不安や心配を振りまくんだもの。年金の事は今はどうでも良い事なのに、余計な事ばかり思い付く。年金どうなってるかは別の機会に触れればいい話なのよ。
「そんな貴女が心配だから、その裏返しで父さんもこうやって怒鳴るようになっちゃったのかもしれないんだよ? 分かってんの?」
「……」
「歳だからってものもあるけれどさ……。ねぇ、心配掛けさせたまま、逝かせるつもりなの?」
「……!」
最後の言葉には流石に刺さってくれたようでしたが……。
酷い言い方だったかもしれないけれど、今からこんなんでは先が思いやられるんですよね。
全身に転移しているとはいえ、その時が何時なんて、まだ分からないんだし。
母には、ガン患者家族向けの心のケアでも受けさせた方がいいかもしれませんね……。