自民、公明、民主３党の幹事長は２９日昼、国会内で衆院選挙制度改革をめぐり会談した。自公側は、衆院「１票の格差」是正のために選挙区の「０増５減」を実現する公職選挙法改正案の早期成立への協力を要請。比例代表の一部に中小政党に配慮した優先枠を設ける自公の制度改革案も提示した。民主党側は抜本的な改革が必要だとして難色を示し、議論は平行線に終わった。３党は来週中の与野党幹事長会談を呼びかけることでは一致した。
自民党の石破茂幹事長は会談で、衆院小選挙区の新たな区割り改定案を受け、４月１２日にも公選法改正案を閣議決定し、ただちに国会提出する方針を言明。「どの党も責任がある」として、６月２６日の今国会会期末までの成立に向け協力を訴えた。
また、比例代表定数（現行１８０）を３０議席削減し、うち６０議席を比例の得票で第２党以下に議席配分する自公の制度改革案を説明。昨年１１月の「今国会中に結論を得る」との３党合意を実現するため、実務者協議を始めるよう求めた。
これに対し、民主党の細野豪志幹事長は「一票の格差是正は緊急の課題だが、さらに踏み込んだ定数削減をしなければならない」と反発。与党案にある中小優先枠にも慎重な姿勢を崩さず、衆院議員定数を小選挙区３０、比例代表５０の計８０議席とする削減法案提出に言及した。
安倍晋三首相は２８日午前の衆院予算委員会で「まず違憲状態をなくす努力をしなければならない」と、「０増５減」案を優先させる考えを強調。石破氏は同日の記者会見で、公選法改正案が参院で否決された場合の、衆院における３分の２以上の賛成による再可決について「可能性としてそういう指摘はある」と述べた。
民主が難色とか、最初に言い出しておいてなんだろうなと…多分に当初の予定(定数削減とセットとかにする)とは違った方向に向いているからなんだろうからかなと。
それはそうと、こういう「先ずは０増５減を先行」させてその場を凌ぐというやり方が、本当にいい事なんだろうかと思ってしまう。
スイス政府が発行し、各家庭に１冊ずつ配布される「民間防衛」の訳書が出ているけど、その訳者の後書きからちょいと引用(新装版P316より)。
われわれ日本人はどちらかといえば「かくすればかくなるものと知りながら、やむにやまれぬ……」というのが好きであり、大戦中はもちろん、戦後においても、公害の蔓延、毎年訪れる台風の被害にもみられるように、すべて目の前に起こったかせいぜい起こりつつある危険には対応策を講ずるものの、将来起こりうる危険、起こるかもしれない危険にいたってはまったくの無頓着である。
この本、元を正せば当時の政治色の強いものだったらしいし、冷戦期の頃のものだから、全てが役に立つとは限らない。ただし、そのスタンスというか方向性は平和ボケした日本人には丁度いいくらいの内容だとも思う。
で、この引用をしたのは、先の大戦や戦後の公害、そして各地で起きた震災と原発事故、トンネル事故等々、もう少し先を見越した対応をしていれば、被害を減らすことが出来ただろう事を見事に指摘していると思ったから。
全てはそういう事から来ているんじゃないかなと。
前にも書いた気がするけど、この日本人の悪い癖については何度でも書きたいｗ
これは政治の世界でも当て嵌めることが出来ると思うんだ。
例えば尖閣問題にしたって、中国との国交回復を進めている時にも懸案の一つだった。その時の首脳はそれらを「棚上げ」にして先ずは国交を先行させた。そして残った懸案を長い期間放置してしまった事で今の状態になってしまった。
それを今さら急に問題を取り上げてどうこうと騒ぎ出しても、結局その場凌ぎの対応しか出来ない。
近くに海底資源があるという調査結果が出れば、広大な国土でも人口が凄すぎて資源を欲する中国側からすれば放って置くわけにもいかなくなるのは自明であって、棚上げし続けている場合では無くなったからだ(もちろん海洋進出というのもあるけど)。
だから、政治で「先ずは○○を」というのはどうも信用できない。
本当にその次もやるのだろうか？
「０増５減」だって選挙無効という地裁判決が出て、慌てて動き出した位。多分あれがなければ、絶対次の選挙までなぁなぁにしてしまってたと思う。
それに堪えかねての判決だったとも思うし…。
これからも、多分に過去に棚上げにしていた問題が次々と出てくると思うけど、「先ずは○○で」というその場凌ぎの対応だけでは単に先延ばしにしているのと大して変わらない。
根本的な解決に向けて将来も見据えた上で議論を重ねて法整備をしていかないと…人口推計のニュースもあったけど、それらも加味していかないと駄目なんだけど、どうも日本人はなる様になるのが好きらしい。
確かに幸運もある国ではあるけど、それに胡座をかいている様では駄目なんだ。一昨年の件でその辺りの意識が変われば良かったんだけど、首都圏が助かった(のか？)幸運のおかげでどうも中途半端な気が(‘∀`)
